朝からずっと動き回っているのに、夜になっても気持ちが落ち着かない。
やるべきことは片付けているはずなのに、なぜか「何かに追われている」ような感覚が消えない。
そんな日が、増えていませんか。
「時間が足りない」と感じてしまいがちですが、
本当に足りないのは「時間」そのものではありません。
足りないのは、動き続ける体と心をいったん止めて、ゆっくりと自分に戻る時間です。
やることは昔と大きく変わっていないのに、なぜ疲れるのか
洗濯をして、食事を作り、部屋を片付ける。
仕事をしている人なら、そこに通勤や人間関係の気遣いも加わります。
やっている内容だけを見ると、30代や40代の頃とそう大きくは変わらないかもしれません。
それでも、今のほうがしんどいと感じるのはなぜでしょうか。
その大きな理由は、「疲れの回復スピード」がゆっくりになっていることです。 若い頃なら一晩ぐっすり眠ればリセットできていた疲れも、今はそうはいきません。 夜にしっかり休んだつもりでも、翌朝すっきり目覚めるとは限らなくなりました。
疲れが少しずつ残ったまま、次の日に持ち越されていく。
そんな「疲れの蓄積」が、日々の重荷になっているのかもしれません。
「ボーっとする時間」がなくなっている
家事がひと段落しても、ついスマホを手に取ってしまう。
仕事が終わって帰宅しても、頭の中で職場の会話を何度も繰り返し思い出してしまう。
体は止まっているはずなのに、頭はずっと忙しく動き続けている。
何も考えずにぼんやりする時間が、気づけばほとんどなくなっています。
その状態が続くと、次に動き出す前に気持ちが戻りません。「何もしない時間」を挟まずに次へ向かうと、心のスイッチが「オン」になったままになってしまいます。
気持ちがリセットされないまま、また重い腰を上げる。
だから、いつも「少し疲れた状態」のまま一日がスタートしてしまうのです。
「ちゃんとやらなきゃ」という思いが、あなたを休ませてくれない
50代になると、親の介護、子どもの自立、
そして自分自身の体調の変化など、気にかけるべきことが一気に増えていきます。
「私がしっかりしなきゃ」「私がやらなきゃ」と、気を引き締める場面も多いはずです。
その責任感は、決して悪いものではありません。
でも、常に「戦闘モード」のままでは、せっかく家の中にいても心が休まる暇がありません。
たとえソファに座っていても、頭のどこかで「明日の段取り」や「あれもやっておかなきゃ」と考えてはいませんか。
それでは、体は止まっていても、心はピンと糸が張ったまま。
本当の意味で、自分を「ゆるめてあげる」ことができなくなっているのです。
どんなに頑張っても、すぐ元通りになってしまうのはなぜ?
- 家中をきれいに片付けても、数日経てばまた散らかってしまう。
- 週末に作り置きを頑張っても、結局は日々の忙しさに追いつかなくなる。
そのたびに、「私のやり方が悪いのかな」「要領が悪いのかな」と自分を責めてはいませんか。
でも、それは決してあなたの「やり方」や「やる気」の問題ではありません。ベースとなるあなた自身のエネルギーが回復しきっていないことが原因です。
疲れが取れないまま生活を立て直そうとするのは、足元のぬかるんだ場所で、必死に踏ん張ろうとしているようなものです。どんなに力を入れても、すぐにバランスを崩してしまいます。それはあなたの努力が足りないからではありません。
あなたが今すべきなのは、もっと効率的な方法を探すことではなく、ただ、足りていない「休む時間」を自分に許してあげること。それだけでいいのです。
まずは「プラスする」ことより「止まる」ことから
今の暮らしを改善するために、新しい工夫や習慣を「プラス」する必要はありません。 何かを増やす前に、まずは「いったん止まる時間」を意識してみてください。
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10分だけ、何も考えない。
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スマホを置いて、お茶の香りをゆっくり楽しむ。
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洗い物を少しだけ後回しにして、先にソファに座る。
小さなことですが、その積み重ねが回復につながります。
家事や仕事をうまく回すことよりも、まずは「自分を取り戻すこと」を一番に考えていいのです。
暮らしをうまく回すことよりも、まず自分が戻ることを優先していいのです。
まとめ:自分を責めるのを、おやすみしましょう
それでも、「工夫して暮らしを整えてもすぐ元通りになる」と感じる人もいるでしょう。
次の記事では、頑張って整えても、なぜ暮らしが安定しないのか、もう少し詳しく見ていきます。
今はまず、「時間が足りない」のではなく、「自分を回復させる時間が足りていないだけかもしれない」。そう気づくだけで、十分です。
その気づきがあるだけで、自分を責める気持ちは少しやわらぎます。
▶ 次の記事:No.51 時間がないのではなく「回復する余白」がない ― 暮らし疲れの原因

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