昔と同じ服を着ている。
昔と同じように予定を入れて、同じように人と会う。
昔と同じ考え方で、同じように選んでいる。
それなのに、「前と同じ感じにならない」。
理由は分からないけれど、確実に何かが違う——。
その「何か」がわからないまま、日々だけが過ぎていく。
50代に入って「変わっていないはずなのに」と感じ始めた
同じことをしているのに、気持ちだけが置いていかれる
いつものお店で、いつものように服を選ぶ。
似合うと言われてきた色、安心して手に取れる形。
試着室の鏡に映る自分は、たしかに「いつもの自分」のはずなのに、どこかしっくりこない。
似合わないわけでもない、嫌いになったわけでもない。
ただ、心だけが半歩後ろに残っているような、そんな感覚になる。
「前はこれでよかった」が通用しなくなったという感覚
かつては迷わず選べたものが、「本当にこれでいいんだっけ」と一瞬止まる。
仕事の引き受け方、人との距離の取り方、休日の過ごし方。
以前なら「これが自分らしい」と思えていた選択に、どこか自信が持てなくなる。
それでも、代わりの答えがあるわけではないから、とりあえず今まで通りに動いてみる。
けれど、心のどこかで「前と同じではいられない何か」をうっすら感じている。
50代女性がうまく言葉にできない“しっくりこない”違和感
不満でも不安でもない、でも納得もしていない
今の生活が嫌いなわけではない。
大きな不満があるわけでも、将来が不安で眠れないわけでもない。
むしろ、「恵まれているほうだ」と思おうとすれば思える。
それでも、どこかで「これでいい」とは言い切れない自分がいる。
喜びきれない、かといって嘆くほどでもない、その中途半端な場所に立ち尽くしているような感じがする。
誰かに説明しようとすると、うまく言えなくなる
「なんとなく、前と同じじゃない感じがして・・」と口にしてみても、途中で言葉が止まる。
具体的な出来事として語れるほどのことではないから、「気のせいかもね」と自分で話を終わらせてしまう。
それでも、胸の奥には、言葉になりきらない小さな塊だけが残る。
「なんとなく違う」としか言えなく説明もできないから結局そのままにしてしまう。
50代で変わった自分を認めきれないまま過ごしている感覚
年齢のせいにするほど単純でもない
「50代に入ったからかな」と思えば、たしかにそれらしい理由にはなる。
けれど、年齢だけで片づけてしまうと、どこか違うような気もする。
周りの人たちは、相変わらず同じように働き、同じように笑っている。
自分だけが少しだけ別のリズムを刻み始めたような、そんなずれを感じる瞬間がある。
でも「昔と同じ自分」でいられない感覚は確かにある
昔の自分なら、迷わず飛び込んでいたことに、今は一歩引いてしまう。
逆に、以前なら興味も持たなかったものに、なぜか目が止まる。
「変わっていないつもり」の自分と、「もう同じではいられない」自分が、心の中で静かに並んでいる。
どちらが本当かを決める前に、その両方が同時に存在しているような、不思議な感覚だけが残る。
50代で「まだ何も起きていない」のに、気づいてしまったこと
大きな失敗も後悔もないのに、満たされない
人生を振り返って、「あのとき大きく間違えた」と思う場面は、そう多くないかもしれない。
それなりにやってきたし、それなりに報われてもきた。
それでも、「これでよかった」と胸を張りきれない何かが、どこかに残っている。
足りないものがあるのか、もう十分なのか、自分でも判断がつかないまま、日常が淡々と進んでいく。
この感覚に名前をつけられないまま、日常は続く
朝起きて、家事をして、仕事に向かい、用事をこなす。
目の前の一日は、昨日とほとんど変わらない。
それでも、自分の内側だけが、少し違う景色を見始めているような気がする。
その変化に、まだ名前をつけられないまま、いつも通りの一日がまた終わっていく。
50代の今は、立ち止まっているだけかもしれない
大きな問題はないのに、心が追いつかない
生活は回っているし、困っているわけでもない。
それでも、心のどこかに少しだけ穴があいているように感じる。
前にも進ん進めないし、かといって、過去に戻りたいわけでもない。
どこかわからない場所で立ち尽くしているような時間が増えていく。
答えを出さずに抱えたままの日常
大きな決断を迫られているわけではないのに、心のどこかで「何かを決める前」の空気を感じている。
まだ何も選んでいないし、選べてもいない。
それでも、「このままではいけない何か」が遠くにぼんやりと見えているような気がする。
何かはっきりわからないまま時間だけが過ぎていく。
まとめ
何かを変えなくてもいい。
何かを決めなくてもいい。
ただ、「昔と同じではいられない」と気づいてしまっただけ。
どうしたらいいかは、まだ決まっていないまま、今日も日常は続いていく。


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